2024-05-16

なんでも防災百科1 マグニチュードと震度の違い

『マグニチュード』とは発生した地震そのものの大きさを表すもので、『震度』とはある地点での揺れの大きさを表しています。

電球を思い浮かべてください。
近くで電球を直視するとまぶしいのですが、電球から離れるにしたがいだんだん暗くなります。

ここで電球そのものの明るさを図る単位が『ルーメン』、その電球に照らされた面の明るさを図る単位が『ルクス』になるのと同じ意味合いとなります。

地震はその伝わり方や地質などにもよりますが、震源から離れれば離れるほど小さくなります。したがって、大きな地震であっても、震源から離れるほど震度は小さくなります。

マグニチュードは、震源における地震のエネルギーの大きさを表していますが、マグニチュードが『1』違うとそのエネルギーの量はなんと『32倍』にもなります。『2』違うと32倍の二乗の1024倍も違ってくるのです。

さて一般的には地震の大きさにより、次の通り区分しています。

M1~2・・・微小地震
M3~4・・・小地震
M5~6・・・中地震
M7・・・・・大地震
M8・・・・・巨大地震
M9以上・・・超巨大地震。

震度は、気象庁が『気象庁震度階級解説表(気象庁 | 気象庁震度階級関連解説表 (jma.go.jp))』で制定していて、震度0~7まで10段階に区分しています。。

人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況

震度階級 人の体感・行動 屋内の状況 屋外の状況
0 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。
1 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。
2 屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。
3 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。 棚にある食器類が音を立てることがある。 電線が少し揺れる。
4 ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。 電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。
5弱 大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。 電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。 まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路に被害が生じることがある。
5強 大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。 棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。 窓ガラスが割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止する車もある。
6弱 立っていることが困難になる。 固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。 固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。
7 固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損するものがある。

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木造建物(住宅)の状況

震度階級 木造建物(住宅)
耐震性が高い 耐震性が低い
5弱 壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。
5強 壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。
6弱 壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。 壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。
壁などに大きなひび割れ・亀裂が入ることがある。
瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。
6強 壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。 壁などに大きなひび割れ・亀裂が入るものが多くなる。
傾くものや、倒れるものが多くなる。
7 壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。 傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。
まれに傾くことがある。

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(注1)木造建物(住宅)の耐震性により2つに区分けした。耐震性は、建築年代の新しいものほど高い傾向があり、概ね昭和56年(1981年)以前は耐震性が低く、昭和57年(1982年)以降には耐震性が高い傾向がある。

しかし、構法の違いや壁の配置などにより耐震性に幅があるため、必ずしも建築年代が古いというだけで耐震性の高低が決まるものではない。

既存建築物の耐震性は、耐震診断により把握することができる。

(注2)この表における木造の壁のひび割れ、亀裂、損壊は、土壁(割り竹下地)、モルタル仕上壁(ラス、金網下地を含む)を想定している。下地の弱い壁は、建物の変形が少ない状況でも、モルタル等が剥離し、落下しやすくなる。

(注3)木造建物の被害は、地震の際の地震動の周期や継続時間によって異なる。平成20 年(2008年)岩手・宮城内陸地震のように、震度に比べ建物被害が少ない事例もある。

鉄筋コンクリート造建物の状況

震度階級 鉄筋コンクリート造建物
耐震性が高い 耐震性が低い
5強 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が入ることがある。
6弱 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が入ることがある。 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。
6強 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。 壁、梁(はり)、柱などの部材に、斜めや X状のひび割れ・亀裂がみられることがある。
1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものがある。
7 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂がさらに多くなる。 壁、梁(はり)、柱などの部材に、斜めや X状のひび割れ・亀裂が多くなる。
1階あるいは中間階が変形し、まれに傾くものがある。 1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものが多くなる。

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(注1) 鉄筋コンクリート造建物では、建築年代の新しいものほど耐震性が高い傾向があり、概ね昭和56年(1981年)以前は耐震性が低く、昭和57年(1982年)以降は耐震性が高い傾向がある。

しかし、構造形式や平面的、立面的な耐震壁の配置により耐震性に幅があるため、必ずしも建築年代が古いというだけで耐震性の高低が決まるものではない。

既存建築物の耐震性は、耐震診断により把握することができる。

(注2) 鉄筋コンクリート造建物は、建物の主体構造に影響を受けていない場合でも、軽微なひび割れがみられることがある。

地盤・斜面等の状況

震度階級 地盤の状況 斜面等の状況
5弱 亀裂※1や液状化※2が生じることがある。 落石やがけ崩れが発生することがある。
5強
6弱 地割れが生じることがある。 がけ崩れや地すべりが発生することがある。
6強 大きな地割れが生じることがある。 がけ崩れが多発し、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある※3

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※1 亀裂は、地割れと同じ現象であるが、ここでは規模の小さい地割れを亀裂として表記している。

※2 地下水位が高い、ゆるい砂地盤では、液状化が発生することがある。液状化が進行すると、地面からの泥水の噴出や地盤沈下が起こり、堤防や岸壁が壊れる、下水管やマンホールが浮き上がる、建物の土台が傾いたり壊れたりするなどの被害が発生することがある。

※3 大規模な地すべりや山体の崩壊等が発生した場合、地形等によっては天然ダムが形成されることがある。また、大量の崩壊土砂が土石流化することもある。

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