禄剛崎灯台の被災・・・2024.05.22朝日新聞夕刊記事に思うこと
6月1日13時から、6月2日14時から、名古屋市栄の久屋大通り公園の手羽先サミットが開催されている会場で30分程度ですが、SDGs と Survival と題して講演させていただきます。
お時間のある方は、ぜひお越しください。
5月22日の朝日新聞夕刊1面に、能登半島の突端にある禄剛崎灯台の地震による被害が取り上げられていました。
珠洲市にはボーイスカウトの仕事で何回も訪れています。
2018年の4月に訪れた時は、早朝時間を作って禄剛崎灯台に行った時のことが、昨日のように思い出されます。
筆者撮影
この灯台のレンズが1月1日の地震でレンズが壊れて落下してしまったそうです。
1883年(明治16年)にこの灯台が完成した時に据え付けられたフランス製のフレネルレンズで、湾曲した表面にギザギザの段が付いていて、光を収束させて遠くまで届くように工夫されています。現在の技術で同じものを作ることは、難しいそうです。
能登半島の地震では、ここだけではなく佐渡島北端の弾埼灯台や南端の沢崎灯台などでも灯器が損傷したそうです。
2018年当時、能登半島では地震が増加傾向にあり、第17回日本ジャンボリーには避難計画の策定など様々な提言を行いました。
また珠洲市市役所の方には、ぜひ防災セミナーなどの開催を呼びかけましたが、実現には至りませんでした。
次の写真は、珠洲市の街中の様子ですが、今どうなっているのかを考えると心が痛みます。
筆者撮影
筆者撮影
能登地震後の2024年4月2日にリサーチパネルという調査会社が「ローリングストックしていますか?」というアンケート調査を実施しています。
回答総数 59,036件の回答は次の通りです。
している 17.6%
していたことがある 8.9%
したことはない 62.5%
この中にはない 11.0%
能登地震の被災状況が広く伝わった4月でさえ、ローリングストックを実施していない人が6割以上いるとう現実をどうお考えですか?
災害大国日本において、日本人は『そなえなければならない』ことは知っているが、『具体的な行動に移している人は、さほど多くはない。』ということです。
明治維新以降、近くは第二次世界大戦以降世界史に類例のない発展を遂げてきたのは、日本は災害大国であるが故に、行政が積極的に災害対策に取り組んできた結果です。
その結果日本人の気質として、「平和と安全はタダで手に入る」、「自分の身は行政が守ってくれる」という風潮が根付いてしまいました。
世界に目を向けると、各地で自然災害ばかりか紛争が頻発し「自分の身は自分で守る」ということが当たり前の世界になっています。
また、阪神淡路大震災から29年、壊滅的な損害を受けた豊中市在住の方々向け研修や、姫路で被災した中堅企業の幹部社員研修をやらせていただいたことがありますが、参加した皆様の防災意識は、他の地域の方々と大差ありませんでした。
ここで、「備えてください。」といっても、「ああ、分かってる。」で終わってしまうのです。
そこで、『備えない防災をしましょう!』といわせていただきます。
これは、日常生活をちょっとだけ見直して、普段の生活が防災にあった準備・行動をすれば、なにも特別な備えをしなくてもよいということです。
『自分の命は自分で守る』ということを、改めて考え直してみてはいかがでしょうか。