2025-12-09

2025年12月8日 青森県東方沖地震について

今回の地震で被害にあわれた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
さて、以下に今回の地震についてまとめてみました。

(1) 今回の地震 — 概要(要点)
発生日時:12月8日 23:15
震源:青森県東方沖(八戸の東北東およそ80 km付近)深さは約50–54 km
規模:M7.5〜7.6(暫定)
最大震度:震度6強(八戸など)
広い範囲で震度5〜4の揺れを観測。強い揺れで家具転倒や負傷が報告され、鉄道運行停止や停電が発生。
津波警報が出され、その後観測された波は数十センチ〜70cm程度で大きな破壊的津波は確認されず、警報は解除されました。
その他:複数の余震も続いており、23:33 に M5.6 程度の地震など、震央付近で比較的大きな余震が観測されています。

(2) 後発地震注意情報について
気象庁が今回初めて運用・発表した呼称(今回の震域に対して発表)です。
この領域では、平常時よりも後発地震(その後さらに大きな地震が起きる可能性)が相対的に高まっていることを知らせる情報です。
重要な点は、直ちに“必ず大きな地震が起きる”と断言するものではなく、確率が高まっている(相対的に)ことの注意喚起で、今後発生するかもしれない大きな地震の発生への備えを呼び掛けるものです。
今回の対象地域は、北海道から千葉の太平洋沿岸中心に182市町村が対象になっています。
過去の地震の統データからみると、M7クラスの地震が発生すると7日以内にM8以上の地震が発生する確率は、100回に1回程度と言われています。
→内閣府(防災担当)・気象庁地震火山部 報道発表資料  令和7年12月9日02時00分
https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/hokkaido/pdf/251209chuui_jouhou.pdf

(3) 「後発地震注意情報」が出されたときに取るべき行動
気象庁と防災当局の指示を基本に、「今すぐ避難」ではなく、いつでも避難できる態勢を整えることが後発地震注意情報の目的です。
まずは、以下を優先して点検・準備してください。
① 避難経路・避難場所を確認
— 家族で集合場所・最短ルート・高台の場所を共有。夜間でもすぐ出られるよう動線を整える。
気象庁データ

② 「すぐに持ち出せる」非常用品を用意/確認
— 飲料水(最低3日分推奨)、保存食、常備薬、懐中電灯、携帯の予備バッテリー、現金、保険証などをまとめておく。

③ 家具の固定・危険箇所の点検
— 本棚やテレビの転倒防止、割れ物の下敷き対策など。ガラスのそばに落ちやすいものを置かない。
気象庁データ

④ 津波への備え
— 津波警報・注意報やサイレンが出たら迷わず高台へ。海岸・河口付近の方は特に注意。夜間でも車での避難は渋滞や道路損壊で危険なので、徒歩で高台へ移動できるよう準備する。

⑤ 情報取得手段を確保
— ラジオ・防災アプリ・自治体の緊急メールなどで最新情報を入手。SNSの情報は誤情報も混じるため、気象庁や自治体の公式発表を優先する。

⑥ ガス・火の始末
— 揺れを感じたら火をすぐ消す。揺れが収まったらガス漏れや火災の有無を確認。もしガス漏れや火災の疑いがあれば避難を優先。

⑦ 自動車を使った避難の注意
— 道路の寸断・渋滞・燃料不足のリスクがある。近距離であれば徒歩での避難を検討。
行動前に自治体指示を確認する。

(4) 余震・さらに大きな地震の可能性について
巨大地震の発生領域では、本震のあと数日〜数週間にわたり余震活動が活発化することが多く、大きな余震が起きる確率が通常時に比べて上がります。気象庁が出す「後発地震注意情報」もこの点を踏まえた注意喚起です。発表文では「確率は高まっているが、必ず大地震が起きるとは言えない」とされている点にご留意ください。
 1919年からこの地域で発生した地震のうちM7以上の地震に日付と大きさを記してみました。(出展:気象庁震度データベース)

皆さん2016年4月に発生した熊本地震は、震度7が2日間おいて2回、震度6強が2回、震度6弱が3回発生したことは記憶に新しいと思います。
この地域においても、2003年9月26日4時50分に発生した十勝沖地震(M8.0 震度6弱)については、発生直後の6時08分に二回目の地震(M7.1 震度6弱)と同規模の地震が発生しています。
 
 東北地方だけ備えればよいかというと、そうではありません。明らかに日本において地震は増加傾向にあります。
 以下の表は、1920年代から10年毎に震度5弱以上の地震が何回あったかを一覧表にまとめたものです。
 20世紀に入った直後から大きく回数を増やしていますが、これらの地震の震源を日本地図にプロットすると、北は北海道から南は沖縄まで○が付きます。
 今災害大国日本において暮らしていく以上、準備を怠ることは出来ません。

出展:気象庁地震データベース

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